2006年のご挨拶と竹下流のテーマ

2006年のテーマ
未来のために今を捨てる勇気を持て!

人間は、変なところで案外順応性の高い動物です。特に発展性は無いのですが、自分の適性から極端に大きく外れていなければ、どんなにつまらない仕事でもいつの間にか順応してしまい、なんとなくそれで良いような気になってしまいます。

それはそれで悪いことではないのですが・・・・その後が問題です。向いていない仕事に順応してしまうと、良い仕事にめぐり合ったとしても、その道に進む勇気が無くなってしまうのです。

俺にもその経験があります。俺が以前フリーターをしていた頃、朝から夕方までガソリンスタンド、夜は寿司屋の見習いをやっていました。両方あわせても給料は17万前後。労働時間も長く、決して良い環境ではありませんでした。というか、将来の希望も無く、何の発展性もありませんので、最悪でした・・・・

そんな時に、俺の高校の後輩のお母さんの磯崎さんから「大企業で働いてみないか?」という、話が来ました。条件的には、最初は子会社からの出向になりますが、大企業の最前線で働くことが出来ます。そして給料も、最低でも26万円、残業すれば30万円を越します。単純に、給料は倍になります。しかもスーツで仕事が出来ますので、油にまみれなくていいのです。

しかも俺は仲間うちと、「いつかは、のし上がってやる!何かいい仕事ないか?」といつも語り合っていたのです。

そんな時に、大企業への就職の話が来ているのですから、まさに「棚からボタ餅!」的な美味しい話です!!普通なら飛びつくはず!なのですが・・・・・・・

俺は、気がすすまず、断ろうとしたのです・・・・

おれは寿司屋とガソリンスタンドに順応してしまったのです。頭では大企業に行った方が良いのもわかっているし、行かなければいけないのもわかっていました。でも、手に入れた小さな安定を捨てる勇気が出なかったのです。

情けない話ですが、びびったのです。
「新しい世界にいってうまく行くんだろうか?」
「やったこと無いことだから、怖い」
「うまく行かなかったら、みっともない」
「だったらこのままのほうが良い」
「そうだ、そうに決まっている」
と、頭の中では、後ろ向きな考えが膨らみ始め、そして自分に言い訳をし始めるのです。

大企業の話を持ってきてくれた磯崎さんは、俺が勤めていた寿司屋を紹介してくれた人でもあり、寿司屋のご主人(秀さん といいます)とも知り合いでした。俺が大企業への就職話に躊躇していると、その話を聞いた秀さんに怒られてしまいました。

「竹下君はまだ若いんだから、こんな小さな世界しか知らないんじゃダメだ。大きな世界に出て、もっと暴れてきなさい!」と。

その時その寿司屋は奥さんが入院中で、やっと俺とのコンビで廻り始めたところでした。そんな時に俺を放出すれば、その後はかなり大変なことになるのに、あえて秀さんは俺の背中を押してくれたのです。

秀さんの後押しで、俺は大企業に行く決心をしました。そしてその決断が、俺の人生にとって大正解であったのは言うまでもありません。

このように誰がどう見ても美味しい話であっても、小さな世界に順応してしまうと躊躇してしまいます。人間が前に進むためには、このような小さな安定を捨て去る覚悟が必要だと実感した出来事でした。

また、適性の無い仕事で経済力だけは身につけてしまった場合も、このような現象は良く起こります。パワーの強い人種が公務員、大企業の一般職などについている場合で勤務年数が長いと、かなり年収が上がっています。しかし適性にあっていない場合、年収が上がってもやりがいが見出せず、男もできない場合が殆どです。しかし、ある程度の年収があると、辞める踏ん切りがつかない場合も殆どです。その他にも、社長に向かない人が社長をやってしまった場合、とっとと結婚した方が良い人が経済力を得た場合・・・・どのパターンも、今の生活を捨てれば経済力は確実に落ちるのです。

しかし、過去の前例から言えば、そのままの状態を継続した場合、いくら運気を上げても決定的な改善にはなりませんでした。適性の無い職業を継続している常連の皆さんは、数年前と同じ悩みを今も繰り返しています。

経済力は確かに大切です。しかし、一番大切なものではありません。先ずは仕事の方向性を整えて生きがいを見出さないと、経済力は意味を成さない・・・と言うことは、残念ですが、多くの先輩方が立証してしまいました。

逆に、過去の前例から、経済力は大きく落ちますが適性に合っている仕事に転職して、のびのびがんばっている人は非常に多いのです。

これもかなり勇気のいることだと思いますが、過去の前例から言えば、経済力は一時的に落ちても、適性に合っている仕事に転職した方が、プライベートでは、より発展性があると言えるでしょう。又、適性のある仕事をしていると、楽しくなるので成績も上がり、結果的には経済力も回復した・・・・等という例も多いのです。特に、大企業の一般職のOLが営業職にトラバーユした場合(別名、竹下流 必殺コース)このような成功例は多く確認されています。

又恋愛でも同じようなことがあります。

俺も以前に本当に好きだった子にふられた時は「もうこいつ以上の女には出会わないだろう・・・・」と、毎回落ち込んだものです。

しかし、結果論として、そんなことはありませんでした。これは俺だけでなく、誰もが実感していることだと思います。「もうこいつ以上の・・・」と思っても、それは錯覚であり、自分さえ前向きに生きていれば、必ず次の出会いがあるのです。逆に、それが本当に運命の人だったとすると、後で必ず帰ってきます。

但し、一回きっぱり別れて、お互いにクリアにならないと、次の恋愛は始まらないのです。ですので、どんなに悲しくても、つらくても、一度忘れ去ることが、絶対に必要なのです。しかし、言うのは簡単ですが、なかなか行動に移すのは難しいものです。

特に、不倫などで、好きなんだけど、このままでいっても発展性が無い・・・と言う恋愛の場合は特に難しいのです。

別れたほうがいいのもわかっているし、別れなくてはいけないのもわかっている。でもできない・・・・・と言う人は、本当に多いのです。ではこういう場合の解決法ですが・・・・・

根性あるのみです・・・・・・

竹下流では、「失恋は禁煙と同じ」と言います。禁煙やダイエットは、タバコを吸いたい、おなかがすいた・・・・という欲望との戦いであり、これを楽してクリアすることは出来ません。ダイエットも、禁煙も、色々な薬が売られていますが、それを駆使したにしろ、楽にそれらを達成したと言う人は、俺の知る限りでは一人もいません。しかし、根性さえあれば、必ずクリアできるのです。

俺もよく言っていますが、次に生まれ変わった時に絶対やりたくないことは・・・・禁煙です・・・・・本当につらかったですね。あんまりつらくて、マジで、幻覚が見えそうになったこともあります。でも、根性で達成しました。人間の体内には、必ず根性が装備されています。よく「俺、根性ないから・・・」と言う人がいますが、根性が無い人は存在しません。それは根性が無いのではなく、根性を使ったことが無いので、使い方がわからないのです。又、人間に必ず装備されている根性は、使えば使うほど増えていきます。そのかわり、使わないと減ってしまうのです。ですので、禁煙やダイエットで根性を使うと、根性がどんどん増えますので、次に根性を使う時は、楽に前に進めるのです。これは恋愛も同じです。

別れたほうが良いのもわかっている、別れなければならないのもわかっている。でもつらい・・・・・と言う状況は、誰でも必ず、人生の中で数回~十数回経験することになっています。そしてそれらからは逃れることは出来ません。そういうことを繰り返しながら人間は成長するようにプログラムされているようです。

しかし、このような壁からは逃げようと思えば逃げられるのです。その壁を越えられない人のことを、愛人体質、とか都合の良い女、というと言います。男性の場合はアッシーメッシーと呼ばれてしまいます。

相手に嫌われたくないから、相手に彼女がいても我慢する、嫌われたくないから経済的に援助する・・・・・でもそこにあるのは愛じゃなくて、物理的メリットだけなのです。それらの人に「別れちゃえば!」と勧めても返ってくる答えは同じです。突き詰めてみれば「次の出会いをゲットする自信が無いから、怖くて別れられない」と・・・・・・・・・・発展性の無い不倫、浮気相手、明らかに自分に不利な恋愛を長期にわたり続けると、気がつくと、取り返しのつかない年齢になっています。

俺の知り合いでも多いですが、かわいくても、おっぱいがでかくても、上記の別れを根性でクリアできない人は、いつまでもズルズルと発展性の無い不利な恋愛を継続します。そして取り返しのつかない年齢になって行くのです。

別れた方が良いのもわかっている、別れなくてはいけないこともわかっている、でもできない・・・・・・と言うあなた!今年こそ別れましょう!!俺もそういう経験は何回もしたことがあります。10年以上付き合った高校の同級生と家庭の事情で離別した話・・・とか、女に300満貢いで振り回された話・・・・とか。どれも本当に別れるのがつらかったです。あまりのつらさに、禁煙と同じように幻覚症状が出たこともあります。でも今となれば、あの別れによって、一回り大きくなれたと感じます。

最後に最も重要なのがプライドです。

俺は、いつも言っていますが、バブルではじけた経験があります。バブルの頃は当然景気もよく、青年実業家?という感じでした。仲間内では出世頭で、リーダー格で、いつも威張っていました。

しかし・・・・バブルがはじけて事業に失敗し、地位も経済力も失い、高額な借金を抱えてしまいました。人間、このような状況になると、みんな同じような行動をとります。

それを「大穴現象」と言います。

競馬や競輪で負けが続いてくると、みんな大穴狙いになり、一発逆転を狙い始めます。当然大穴ですので、当たる確率は低く、当たり前のことですが、みんなどんどん損を増やしていきます。その時みんな言うのが「ここまで負けているのに、今更ちまちま稼いでも意味が無い!」と言う言葉です。

事業でも同じで、経営が傾いた経営者は、多くの場合一発逆転を狙います。特にバブルがはじけた頃は先が見えなくなった経営者が多く、みんな、一発逆転を狙っていました。ですので、今から考えれば、誰でもわかるような詐欺に引っかかったり、計画の甘い仕事を繰り返し、逆に借金を増やしたりしていました。そして、どんどん苦しい状況を悪化させていくのです。しかし不思議なもので、みんな会社をたたもうとはしません。他の人が冷静に見れば、一刻も早く会社をたたみ、地道に働いた方が良い!と思うような状況でも、みんな最後の最後まで会社をたたまないのです。その理由も博打で負けがこんだ人と同じなのです。

「今更ちまちま稼いでどうなるのよ!」

という考えなのです。そしてそれは一度社長をやってしまった人間のプライドを捨てる難しさであり、もっと正直に言えば「今更、サラリーマンには、みっともなくて戻れない」なのです。一度権力、地位を手にしてしまった人間の悲しい末路なのかもしれません。俺も同じ考え方をして、バブルがはじけた後も借金を増やしていきました。

そして、そういう時に限り、同じような人間が集まります。

実は・・・・人間、自分が幸せじゃないと、幸せなやつと接するとむかつくのです。まあ、単なるねたみとやっかみです。しかもその頃の俺は、バブルの頃、自分より立場が下だった後輩たちが、バブルではじけなかったために俺よりも上になってしまっていたのです。その中でもセールスマン時代の同期のM君とN君は、「うちの会社においでよ、力を貸してよ」と言ってくれましたが、今までさんざん威張っていた俺でしたので、今更後輩に頭を下げるなんてまねは出来ませんでした。

そして、そのようなうまくいっている後輩との縁も薄くなり、バブルではじけたやつらとばかり一緒にいるようになっていきました。みんな口々に「バブルがはじけたんだからしかたない」と言って、お互いの行動を正当化していました。気学的にいっても、運気の落ちた人は、運気が落ちた人同士で集まります。

運気が落ちたものが集まれば、相乗効果でもっともっと落ちて行きます。当然俺も落ちて行きました。勤労意欲は無くなり、一発逆転ばかり狙い、仕事が無いので暇人病になり、幸い親と同居だったので、一日中、家で寝てばかりいました。今風に言えば、まさに、「ニート」です。ちなみに、自分がニートだったことを最近気がつきました(笑)。実に、1年以上もこのような生活を続けてしまいました。

しかし、そんな俺を変える、ふたつの大きな出来事がありました。借金が増えて本当に苦しくなって言った俺は、ある無謀な賭けに出ました。俺のセールスマン時代の後輩のO君の奥さんのお父さんが、金融会社をやっていました。俺は無謀にもO君のお父さんに適当な仕事の話を持ちかけ、数億円の融資を受けようと考えたのです。今から考えればただの詐欺でしたが、人間、切羽詰ると、何でもやります。O君にアポをとってもらい、お父さんの指定する焼肉屋に行きました。すると、お父さんは「まあ、若いんだからいっぱい食べなさい」と高級な肉をいっぱい食べさせてくれました。そして、こちらが話をする間を与えず・・・・・

「竹下君と言ったね、世の中、ダメなものはダメなんだ。失敗したらごめんなさいするしかない。お金が返せないなら一生懸命謝って待ってもらいなさい。そして、一から出直しなさい。」そして「人生に、近道は無いんだよ」

と、言われてしまいました。考えてみれば、向こうは数億円動かす大社長です。こっちの考えなどお見通しですね。もしこの話を俺が進めていたのであれば、おれは恐ろしい報復を受けていたかもしれません。しかし、O君の先輩と言うことで、顔を立ててご馳走してくれた上に、ありがたい言葉までくれました。

俺の人生の中でその言葉はとても大きく、同時期にもう一つ大きな出来事があったこともあり、俺は腹をくくって会社をたたみました。そして、俺のことを誘ってくれた後輩のM君とN君の会社に入り、ただのセールスマンとして、第二の人生をスタートしました。扱う商材も以前脱サラした時と同じもので、本当にゼロスタートです。その決断が、正しかったかどうかは、言うまでもありません。俺はこの決断により、ふたまわり大きくなれた気がします。

会社をたたんでゼロから仕事をしたほうが良いのもわかっていました。そうしなければいけないのもわかっていました。でも、出来ずに1年以上も惰眠をむさぼっていました。そかし、この社長との出会いが、俺の人生を変えました。

竹下語録の中に「痛くない虫歯」と言う言葉があります。

虫歯は、最初は痛くありません。痛くないうちに歯医者さんに行けば、すぐ治るのですが、人間、なかなかそうは行かないもので、なかなかは医者さんへ行こうとしません。でも、虫歯は自然治癒しないのです。放っておけば必ず悪くなり、いつか痛くなってきます。痛くなってしまったら、それなりの大きな治療の必要が出てきてしまい、更に放置すれば、歯を抜くことになります。歯医者さんに行ったほうがいいのもわかっている。行かなければ行けないのもわかっている。でも行けない・・・・よくある話ですが、歯医者さんに行かなければ歯が痛くなり、いやでも行かざるを得なくなるのです。

人生も同じです。
やったほうがいいのもわかっている、
やらなくてはいけないこともわかっている。
でもできていない・・・・・

これをクリアしないと、後でえらいことになります。

  • 今の仕事をやめて適性に合う仕事につかなければ行けない人
  • 今の彼と別れて新しい相手を捜さなければ行けない人
  • 強引に親元から出て、一人暮らしをしなければならない人
  • 好きな人について行くために、今の生活を捨てなければならない人
  • プライドを捨てて、ゼロからやり直さなければならない人

竹下流は、そんなあなたを応援します!「未来のために今を捨てる勇気を持て!」ともに平成19年を歩みましょう。